温冷浴で 自律神経を整えましょう  

温冷浴とは??

 

冷たい水と熱いお湯を交互に浴びる入浴法を「温冷浴(おんれいよく)」といいます。「足先などの先端を温める民間療法?」「皮膚の毛穴の開閉を促す美容法?」などを思い浮かべる人も多いでしょう。しかし、温冷浴の効能の根本は「自律神経の調整機能を整える」ことなのです。

暖房や冷房がなかった時代と比べ、現代人の自律神経はいわば“甘やかされた”状態。ちょっとした刺激にも対処できなくなっています。そのよい例が、いわゆる「冷え性」。本来なら人間本来の自律神経系による体温調整でまかなうべき機能が、甘やかされていることでうまく機能しなくなっている一例です。そして、この甘やかされた自律神経を鍛え直すのが「温冷浴」。身体の末端や表面に対して温冷浴をしているのではなく、それらを通して、身体の根幹にあたる自律神経を本来の機能に戻す役割を果たしているのです。

自律神経を鍛え直すのが「温冷浴」だとすると、それは身体にどのような効果をもたらすのでしょう? じつは自律神経が整うことで、その効能は多岐にわたるのです。よくいわれるのは「冷え症」が改善すること。これは冷水と温水の交互作用でポカポカするのではなく、まさに自律神経が多少の温度変化にも対応できるようになることによる効能です。

また、ニキビや吹き出物が出にくくなったり、肌そのもののハリやツヤ、キメが改善された報告もあります。外界からの刺激に対して過剰に反応したり、内面の変化に対して制御が効かなかったりといった、肌のトラブルにも効果を発揮してくれるのです。その意味では、外部刺激の過剰反応である「花粉症」にも効果があるといわれています。

温冷浴  実践編

実際に「温冷浴」はどのように実践すれものでしょう? 冬の寒いお風呂で冷水を浴びるのを想像すると尻込みをするかもしれません。しかし、温冷浴はそんなに厳しい健康法ではありません。その方法は次のとおりです。

単純に、冷水と温水を交互に浴びることを7回繰り返すことです。そして、順番は「水・お湯・水・お湯・水・お湯・水」ということ。水で始まり、水で終わることがポイントです。とはいえ、大切なのは「温度差」。目的は、自律神経に「負荷」をかけることです。「水」といっても、けっして冷たい水を浴びることではありません。

温冷浴にまだ慣れていない場合は、ぬるま湯とお湯など、温度差を付けるところが始めるとよいでしょう。慣れるに従って、その温度差を広げていけばよいわけです。そのうち、冷水が苦にならなくなり、むしろ気持ちよいくらいになるってくるはず。温冷浴を極めた人たちは、家に冷水用と温水用の浴槽を2つ用意しているといいます。

さらに、大切なのは「温度差」であるため、夜に湯船に浸からず、朝にシャワーを浴びるだけ…という人でも、簡単に温冷浴を実行できます。その方法は次のとおり。

1.お湯が出てくるまでのまだ冷たい水のあいだに1回目の「水」
2.お湯が出てきたらそのまま体を流してシャンプーで頭を洗う
3.洗い終わってお湯で泡を流しきったらここで温度を一気に下げて「水」
4.また温度を戻してお湯で体を流してお湯を止めて体を洗う時間
5.洗い終わってお湯で全身の泡を流し終えたら再び温度を下げて「水」
6.温度を元に戻してこれまたさっとお湯を浴びる
7.そして最後に温度を下げて最後の「水」

普通に朝にシャワーを浴びる一連の流れに、3回目の水、5回目以降の水・お湯・水が加わった形。時間にすればプラス2分かかるか、かからないかのちょっとした手間です。健康法の基本は「慣れ」。まずはぬるま湯などで温度差の少ない温冷浴で試してみてください。

 

DSC_0323

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です



※ニックネームも可能です。




※不適切なコメントは削除対象とさせて頂きます。